恋の相手はメイド君!?
「フゥ…えらい、欄のこと詳しいんやね?」


「そりゃあ、欄のこと好きやからですよ?

おたくさん知ってます?」


ニヤッと笑う千尋に、先輩は上から見下ろすように聞き返す。



「欄ってね、可愛いとこめっちゃあるんですわ。

手繋ぐだけで照れて真っ赤になったりな、キツそうに見えて寝る時は、俺の寝間着離せんような寂しがりやったりして。
可愛いでしょ!?」



な、何を言ってんのよ!?

いつあたしが、真っ赤になった!

(いつも)



パクパクと口を開き千尋を見上げていると、ポンポンと頭を撫でられた。


「ほら、ずっとこんなん?ホンマ、欄は可愛ええやっちゃなぁ!」


「ちっ…千尋…っ…!」


ドウドウと押さえつけるな!
あたしは、馬かっ!!



一刻も早く、この場から去って千尋を説教しなきゃ。

先輩に別れを告げるのも忘れて、千尋の腕を引っ張ってその場を去ろうとした。


そしたら、またしても先輩に呼び止められて。
気にせず、止まらなきゃ良かったと後悔した。














「何もかも初めてです。言うてたわりには、えろう成長したんやなぁ!?」


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