恋の相手はメイド君!?
「仕事なら仕事で、なんで最後までやらんわけ!?」


バンッとカウンターを叩く音に、ビクンと驚いてしまった。


皐月……酔ってるな。


目据わってるし。


口調荒くなってるし。



「クリスマスまでが期限やったんやろ?
クリスマスは、まだ終わってへんで!」


「それは……」


確かに、千尋はクリスマスまで、あたしに仕えると言った。


だけど、千尋はイブの夜…というか、クリスマスの朝に突然姿を消した。



どうしてだろう?と悩む前に、多分あたしのせいかなと思う。



「あたしね、いつからか千尋はずっとあたしといるんやって思うてた」


メイドとか言うけど、あたしの言うこと殆ど聞かないし。


嫌がることしてくるし。


中途半端な敬語なんて使うし。



「だけどね、あたしが当たり前のように思えば思うほど、千尋はいずらくなったんやと思うねん。

あたしって、突っ走ってまうから、仕事としておる千尋には重く感じたんやないかって……」



あたしは、自分が妙に冷静なことが驚いた。


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