恋の相手はメイド君!?
考えなくても答えは一つしかないんだ。



「あたしはな、中途半端なん嫌いやねん。
好きなら好きで、突っ走るんの何が悪いん?
ええやん、カッコええわぁ。

好きな相手やから、突っ走るねん。
止められへんのよ、恋ってさそんなもんやない?」



好きだから、止めることが出来ずに突っ走る。


受け止めてもらえなくても、避けられても、好きなうちは止められない。


そうかもしれないね。


千尋を好きだと確信した時から、好きって気持ちは制御なんて出来なくて。

怖いし不安だけど。

それ以上に、千尋の一行一句行動に一々反応しては嬉しくて。



『欄さん』


名前を呼ばれるたびに、胸に甘い気持ちが広がっていった。


髪を撫でてくれる手が。


温かい料理が。


抱き締めてくれる腕が。


たまに、意地悪なとことか。


たまに、拗ねるとことか。


千尋を知れば知るほど、千尋を感じれば感じるほど、とめどなく溢れるものがあった。



好き。



たった、二文字では片付けられない熱い想いが、あたしの中にはあった。



< 77 / 253 >

この作品をシェア

pagetop