恋の相手はメイド君!?
確かにあったんだ。



「好きやわぁ……。

あたしは、やっぱり千尋が好きや」


「なら、簡単や。
好きなら、やることは一つっしょ!?」



パチンっと、皐月に頬を叩かれた。


優しく笑う皐月に、あたしは泣き笑いの表情を向ける。



「クリスマスは奇跡がおこるかもしれん。
そんな予感する。

なんせ、サンタクロースがプレゼントを空から運んでくる日やで!?」


キラキラと夢見る少女のように言っている。


だけど、皐月の手には焼酎の入ったグラスが握られていて、やたら親父臭くて笑えた。



「ふふっ。皐月、サンタクロース信じてるん?」


「いんや!信じてない!」


ガタン!


カウンターから肘が滑り落ちてしまうところを、すんでのとこで止めた。


皐月さん。

言ってること、おかしくないかい!?


夢見る少女じゃないのか!?



「サンタは、あたしのダーリンなんやもん!!

髭クシャクシャの親父からプレゼントもろうても嬉しゅうないって。

あたしは、ダーリンからプレゼントもらうのっ!」



そうですか。


彼氏が、サンタクロースか。


上手く言ったもんだ。
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