恋の相手はメイド君!?
でも、彼氏さんは空は飛べないと思うけど。


皐月の夢見る少女設定を応援するためにも、突っ込むのは止めておく。





ふと、携帯の時計で時間を確認した。


もう、10時か……。


後2時間で、クリスマスも終わる。




ゴクンとビールを飲むと、苦味でウエッと舌を出してみる。



「なぁ、サンタってな女にはなれんのかな?」


「さぁ? そもそも、なんで男って決めつけてんやろな?」


サンタクロースの話題で、此処まで考えるのは、きっとあたしたちくらいかも。


瞼を閉じて、少し頭を真っ白にしてみた。



………よし。






「あたしも、サンタクロースになる!!」


「はぁ!?」


「女でもなってええやろ!つーわけで、今日はあたしの奢りや!」


パチクリしている皐月に、胸をバチンと叩いて見せた。


最初は呆気に取られていた皐月も、だんだん笑顔に変わる。


「ほんま、あんたはおもろいなぁ。
ええよ、早よう行ってきたら?」


シッシッて、あたし犬じゃないよ。


プクっと頬を膨らませて見せると、小馬鹿にしたように笑われてしまった。
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