恋の相手はメイド君!?
「あ……」


「思い出した?」



思い出した。


バッチリ。


コクンと頷くと、彼は席を立ち鞄をガサゴソあさりだす。



その姿を見ながら、あたしは先月のことを思いだしていた。

















「このままやと、また寂しいクリスマスになるぅ」


仕事の帰りに、同僚の皐月(サツキ)と食事をしていた。


パスタを食べながら、何とも寂しい話題をしているが、仕方ないのだ。


女の子にとって、一大イベントであるクリスマス。


そのクリスマスが、後一ヶ月後に迫ってきている。


なのに、あたしは独り身で会社の先輩に片想い中だった。



「さっさと、告白すればええやん」


「そんな、簡単なことちゃうよ!」


告白するには、勇気がいるんだ。


今の会社(小さな工場だけど)に、入社して一年。


あたしは、仕事を教えてくれた先輩に恋をした。


眼鏡姿が誠実さうに見えて、だけど会話は今風な先輩に恋をするのは早かった。

それから一年、想いを募るだけ募らしたあたしだけど、告白だけは出来ずにいたんだ。




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