恋の相手はメイド君!?
5*メイドと恋劇場
おはようの時間
-ピピピピ。
目を覚ませと、部屋中に目覚ましの音が響く。
音を止めて、また手を布団の中に引っ込める。
サラッとしたシーツに足を滑らせる感覚に酔いしれて、ぽかぽかの毛布に頬づりして。
ああ、なんて気持ちいんだろう。
ウトウト。
また、意識は夢の世界へ導かれていくのがわかる。
このまま、二度寝に持ち込もうとした時だった。
「欄、起きぃや!」
出た。
出たよ、うちのメイド君。
あたしが毎度二度寝しようとしたら、タイミングよく部屋に起こしにやってくる彼。
「ん〜…、まだ眠たい」
「やから、早く寝ろ言うてるやろ」
千尋は派遣会社からやってきたメイドで、それはもうかなり優秀だ。
炊事洗濯家事と、全てを完璧にこなして、怠け者のあたしが、こうしてダラダラとしていたら必ず注意してくる。
まるでお母さんさんだ。
たまに思うもんね、此処は実家で千尋はお母さんじゃないかって。
「だってぇ、みたい番組があったんやも〜ん…」
そう、いくら仕事で疲れて帰ってきても、不思議と家に帰ってくると疲れはとれてしまう。