恋の相手はメイド君!?
クリスマスまでは、懸賞で当たったからか、ホントに優しいだけのメイドだった千尋。


でも新たに契約を交した後の千尋は、優しいだけのメイドじゃなくなった。



全てを完璧にこなす主義なのはわかったし、性格から歪んだことが嫌いなのも、この三日程でよーく知った。



そしてもう一つわかったことがある。




今目の前の千尋は、スッと目が細められている。


そして『欄さん』と、前のような呼び方をする時の千尋は、キレる寸前なんだ。


完璧だからこそ、あたしのように怠けるようなことをすると、こうして教育モードのスイッチが入ってしまう。



「人間は、早寝早起きのリズムが大切なんや。
休みやからてダラダラしとったら、全てに影響していくねん。
俺が欄さんの面倒を見る以上、俺は欄さんを完璧な大人の女にする」


「あのさぁ、それってメイドの域を越えて、教育係になってへんかな?」



メイドってさ、普通ご主人様に忠実なはずでしょ?


だけどあたしのメイドときたら、あたしの意見はことごとく却下すんの。


これって、メイドじゃないよね?

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