恋の相手はメイド君!?
「つーか、そもそも俺はメイドやないねんけどね」


「じゃあなに?」


「お手伝いさん?」


「何で聞く?」


「よぉ、わからん。
やけど、俺を雇った以上は怠けることは許さん!」


結局そうなるのね。


幾つか文句はあるけど、でも言えないのだ。


この栄養を考えてつくった食事も。

毎日、綺麗に整頓された部屋も。

いつも気持ち良く過ごせるのも。


何もかも千尋のおかげで。

千尋の見せる笑顔も怒った顔も、全てが好きになっていくから。


あたしは、姑のように煩い千尋だけど、それは全てあたしのためなんだと思う。


だから、たまに鬱陶しく感じても『好き』って気持ちは、昨日よりさらに大きくなっていく。


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