素直に
 ホントに賢い人間たちは、学費を支払った分、元を取るまで勉強するのだった。


 そういった点では秋光大にも夜間部がある。


 文学部と商学部に夜間帯の二部があるのだ。


 そこの学生さんは皆、昼間働きながら、夜だけ夜学に勉強しに来ている。


 僕も慧子もそこの学生の人たちには頭が上がらない。


 やはり真剣だからである。


 全日制の学生みたいにチャラチャラしているわけじゃないし、ホントに大学で学びたいことがあって来ている人が圧倒して多いからだ。


 僕は昼間、学校に通えば、夜は慧子と過ごすときもあるし、勇太君のような生徒相手に家庭教師をしたりもする。


 それで何とかやっているのだった。


 ここ秋光大のキャンパス内でも、学内の掲示板にはたくさんのビラが貼ってある。


 ほとんどがバイト関係のそれだった。


 僕自身、今の家庭教師センターは一年上の先輩から紹介してもらっていたし、その先輩
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