素直に
 それに自分にはこれからも長い付き合いとなるであろう慧子がいてくれるのだから……。


 これほど心強いパートナーはいなかった。


 互いに同志でもあるので。


 冬到来といった感じで、室内にはやや暑いぐらい暖房が利かせてある。


 マシーンは熱に弱いのだが、部屋全体を温めないと、出来る研究も出来ない。


 僕はフラッシュメモリをUSBポートに差し込み、ネットに繋いで、ゲーテに関する文献を探し出す。


 専攻するものに関しては、徹底して調べ上げるのが、僕のやり方だった。


 そういった点では慧子に負けない。


 彼女も言わずもがなで相当研究熱心なのだったが……。
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