素直に
 大抵いったん夜眠りに就けば、朝は早起きする。


 そして身支度を整えてから、講義がある日は大学に行き、ない日は自宅で研究を続けていた。


 僕は自分でも不思議になってしまうぐらいドイツ語が読めるようになっていたし、ドイツ在住の人間とも日常会話程度なら十分話せるぐらいまで成長している。


 それだけ上原先生からしっかりと講義を受け、全く抵抗なく、学問的なアプローチも可能になったということだ。


 やはり生きたドイツ語が一番いい。


 確かに僕は研究過程でゲーテを対象に選んだので、古いドイツ語を学習し、習得しているのだが……。


 慧子も自分の選んだドイツの地理や民族史などを勉強し、卒論もじっくりと時間を掛けてやるつもりでいるようだった。


 今という時代は、ネットなどでそういったものに関連することは調べることが出来るのだし……。

 
 まあ、時代が変わったということだろう。


 くどいようだが、上原先生のようにカビの生えたような古い文献を読み込む学者もいる
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