素直に
「ええ」


 慧子が頷き、僕たちは立ち上がって、レジで食事代を清算した。


 キャンパス内を練り歩きながら、学内も入学したての頃とはだいぶ変わったなと感じる。


 三年前と今じゃ、様変わりだ。


 だけど僕たちは順当に行けば、四年生の一年間と修士課程の二年間、それに博士課程の三年間の、合計して六年間、この大学に居続けることになる。


 さすがに学校には馴染んでいた。


 僕も慧子も互いに惹かれ合う者同士だ。


 手を握ったまま、キャンパス内を突っ切っていく。


 学生街は大抵何でも揃っている。


 僕は夕食に学食で食事をしたら、翌日の朝はトースト一枚にコーヒーで済ませていた。


 確かに奨学金はある。


 僕もそうだし、慧子も借りているようだ。

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