素直に
 これが自律神経失調症の症状なのである。


 僕自身、この手のことはネットなどで調べて知っていた。


 きついのはきついが、毎日大学に通い続ける僕にとって負荷となるのだ。


 だけど、もうすぐ後期授業も終わる。


 僕はその日、朝早めに研究室に来て、昼になると学食で定食を食べた。


 そして午後一時からの上原ゼミに出席するため、研究室へと舞い戻る。


 慧子が来ていた。


「ああ、栄司」


「おう、君か。お疲れ」


「朝早くからお疲れ様」


 彼女がそう言い、講義で使う資料の束を取り出して、読み始める。


 A4用紙に十枚ぐらい、横書きでプリントアウトされた資料があった。


 慧子は飛ばし読みするところは飛ばして、必要な箇所にマーカーでマークを付ける。
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