素直に
「調子、よさそうね」


 と言ってきた。


 僕は病院から自宅に帰り着いた後、患っている自律神経失調症のことをメールで慧子に告げていたのだ。


 確かに薬が効き始めていくらか時間が経っていたから、症状自体、かなりの程度改善していたのだけれど……。


「ああ」


「今からカフェに行きましょう」


「うん。……小腹空いてるしな」


 僕がそう言って、慧子と一緒に学内のカフェへと向かった。


 その日受けるべき授業が終わって、僕たちはホッとしていたのだ。


 今年もあと一ヶ月を切った。


 いよいよ年末である。


 街が慌しくなる頃だ。
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