素直に
第36章
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 博士課程の二次試験の合否通知には合格した旨書いてあった。


 僕はすぐに慧子に電話する。


 ケータイを持つ手が震えていた。


 しばらく呼び出し音が鳴り、


「はい」


 という声が聞こえてきた。


 ――あ、栄司だけど。受かってたよ。二次試験。


「そう。あたしも同じ」


 嬉しい気持ちが更に募っていく。


 これでまた三年間、一緒に研究生活を送れると思うと、とてもいい気分だ。


「これからは一気にドクターコースね」


 ――ああ。上原研究室に残ることは、ほぼ確定的だからな。

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