素直に
最終章
FIN
二〇一七年四月、僕と慧子は揃って、秋光大文学部ドイツ語学科の助手になった。
上原先生の研究のお手伝いをさせてもらうことで、互いに学究(がっきゅう)を高めることが出来る。
僕たちは毎日講義があるたびに、学生相手に作ったレジュメを使い、事実上上原先生の片腕となっていた。
ちょうど学内にある木々から桜の花が落ちて、新緑が萌えている。
僕も慧子も互いのマンションを行き来して、ドイツ語の勉強を重ねながら、更に高いレベルまで来ていた。
私立大学は定年となる年齢が高いから、上原先生もまだ現役で欠かさず大学に来ているのだし、僕たちはお手伝いをすることで、ドイツ語やドイツ関連のことをもっと詳しく知るようになる。
実は僕たちが助手になると同時に、准教授だった佳久子が他大学に籍を移した。
僕は心の奥底で思っている。
火種が一つ消えたなと。
そしてそれから僕も慧子も秋光大の研究室に入り浸り、研究生活を続けた。
二〇一七年四月、僕と慧子は揃って、秋光大文学部ドイツ語学科の助手になった。
上原先生の研究のお手伝いをさせてもらうことで、互いに学究(がっきゅう)を高めることが出来る。
僕たちは毎日講義があるたびに、学生相手に作ったレジュメを使い、事実上上原先生の片腕となっていた。
ちょうど学内にある木々から桜の花が落ちて、新緑が萌えている。
僕も慧子も互いのマンションを行き来して、ドイツ語の勉強を重ねながら、更に高いレベルまで来ていた。
私立大学は定年となる年齢が高いから、上原先生もまだ現役で欠かさず大学に来ているのだし、僕たちはお手伝いをすることで、ドイツ語やドイツ関連のことをもっと詳しく知るようになる。
実は僕たちが助手になると同時に、准教授だった佳久子が他大学に籍を移した。
僕は心の奥底で思っている。
火種が一つ消えたなと。
そしてそれから僕も慧子も秋光大の研究室に入り浸り、研究生活を続けた。