素直に
第6章
    6
 抱き合った後、慧子がしばらくの間、何かを思案し続けていたようだが、やがて、


「今から一緒にお風呂入ろうよ。シャワーで汗流せば、またゆっくり出来るだろうと思うし」


 と言った。


「じゃあ行こうか?」


「ええ」


 僕が頷き、二人で裸のまま、歩き出す。


 ゆっくりと時間が流れていく。
 

 秋は物思う季節だ。


 すぐに何かを考えてしまう。


 一ヶ月前の暑さは確かに引いた。


 過ごしやすいし、これからが秋本番だ。


 僕も慧子もこれから先の季節は勉強に充(あ)てるつもりでいた。
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