素直に
第7章
   7
 風呂上りに缶ビールで乾杯して、僕と慧子は一緒のベッドに横になる。


 シーツには女性特有のシャンプーの残り香が付いて、漂っていた。


 僕がそれを嗅ぎ取り、


「いい匂いがするね」


 と言う。


「シャンプーとかコンディショナーはいいもの使ってるから」


「君は結構そういったことには金を惜しまないんだな?」


「ええ。やっぱ女性だから、その点は敏感だし」


 慧子がそう言って笑う。


 僕も釣られて笑った。


 そして僕たちはその夜、ビールを飲みながら語り合う。


 時折抱き合って、互いの体に熱を移しながら……。

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