素直に
 僕は華奢(きゃしゃ)な彼女の体を抱きしめ、ボディーラインにスゥーと指を滑らせる。

 
 互いに話をしながら、感じやすい部分を愛撫し合っていると、すぐに朝が訪れた。

 
 僕は明け方、ほんの二時間ぐらい眠ってから起き出し、頭を掻きながらキッチンへと向かう。


 一応慧子のマンションだが、遠慮することはないと思われた。


 僕はお湯を沸かし、インスタントタイプの熱々のコーヒーを淹れて、飲み始める。


 幾分アルコールが残っていたのだが、それでも朝は早いに越したことはない。


 コーヒーを飲みながら、充電器に差し込んでいたケータイのフリップを開く。


 着信は一件もなかった。


 新着メールはスパムばかりだったので、残らず削除する。


 僕がネットに繋いで情報を見ていると、栗色のロングヘアーの慧子が起きてきた。


「おはよう」


「……おはよう」

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