素直に
もりでいる。


 ドイツ語やドイツに関連する研究はそこ数年じゃ出来ないと思っていたのだし……。


 それに僕自身、研究者になれば、また新たな別の人生があると思っていた。


 今の生活の延長線のような状態が続くのかもしれないが、それでも構わないと感じている。


 僕は今から数年前に、一度単独でドイツのベルリンまで行ったことがあった。


 風景や街並みなどがとても調和的で、いいところだなと思う。


 日本人とドイツ人は基本的な物事の考え方や感じ方が違うところがあるし、僕自身、外国で暮らしてみたいと思うことはない。


 だけどベルリンの街に惹かれながら、僕も改めてドイツに関する研究を進めていきたいと思った。


 それには一定年数、大学院で修養しないといけない。


 くどいようだが、僕も慧子も秋光大に遊びに来ているわけじゃなくて、勉強しに来ているのだ。


 互いに学者になるということで大筋は分かり合えている。
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