素直に
 僕を近くのソファーに座らせた佳久子は下着を取り、上から乗っかった。


 まるで望んでいない、身勝手な情交が始まる。


 佳久子が僕の上で上下運動した。


 乗っかる形で激しく。


「先生、こんなことしちゃっていいんですか?」と僕は訊こうかと思ったのだが、今の佳久子には無駄なようだ。


 半ば理性を失ってしまっている。


 どうやら佳久子は僕と慧子が付き合っていることを知っているようだった。


 だから、あえて若い学生カップルの仲を引き裂く意味で、こんなことをしているのか……?


「あなたと川島さんが付き合ってることぐらい、お見通しだわ」


 佳久子がそう言って、フフフと笑う。


 僕自身、こんな女性と行為をするのは実に初めてなのだった。
 

 あまりいい気持ちはしない。
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