素直に
 ちょうど夕方で、各研究室から教員が出ていく時間帯だった。


 まさか、文学部の女性准教授が教え子と室内で行為をしているなど、普通の人だと考え付かないだろう。


 それだけ、この密室で起こったことは謎に溢れ返っているのだった。


 そう、まるでラビリンス――迷宮(めいきゅう)のように……。
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