素直に

　僕が、


「風邪？」


　と訊いてみると、慧子が、


「ええ。少しきついわ。だから電話したの」


　と返した。


　熱はないらしいが、喉が痛んだり、咳が出たりするらしい。


「風邪薬ある？」


「一応ね。今しがた飲んで、寝てたところ」


「食事は？」


「さっき近くのお弁当屋さんで親子丼買ってきて食べたわ」


「なるだけ眠ってて」


「分かってる」


　慧子が頷いたので、僕がそっとベッドに寝かせる。