素直に
 彼女は相変わらず咳き込み続けていた。


 僕がさっきまで佳久子といたことはバレているようだ。


 その証拠に佳久子が付けていた濃い香水の残り香が移っている。


 僕は何か罪悪感のようなものを覚えた。


 いくら断りきれなかったにしても、体の関係にまで至ったことは紛れもない事実なのだから……。
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