素直に
　冷めないうちに啜った方がいいのだが、冷たいコーヒーもまずくはない。


　少なくとも僕が冷めたコーヒーを捨てることはないのだ。


　僕自身、学生の身で奨学金を借りながら学費と生活費を賄っている以上、十分すぎるぐらい十分生活感があった。


　ケータイはパケットを定額にしていたし、通話料が月に一万円を超えることはまずない。


　小まめに電気などを切る癖もすっかり身に付いていた。


　テレビやパソコンも必要なときしか電源を入れない。


　まあ、マシーンは一度立ち上げれば、放っておいてもセーフモードに入るし、その間はかなり省電力で稼動しているので、気にはしていなかったのだが……。


　僕は毎日、家か学校にいるときは勉強し続けている。


　学生なので、当然ながら与えられた時間を使って、必要な知識を身に付けるのは当たり前だと思う。


　慧子の方も、かなりの程度ドイツの地理や民族史などには入れ込んでいて、積極的に勉強したがっているようだ。


　要はお互い様なのだった。
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