素直に
 ちなみに僕は自宅のパソコンに付いているUSBフラッシュメモリに必要なデータを落として、それをカバンに入れ、学校や図書館などに持ち歩く。


 秋が深まりつつあって、冬が程近い。


 僕が簡単に朝食を作り、病み上がりの慧子がそれを食べる。
 

 なるだけ脂の少ない物を作っていた。


 彼女の風邪が治ったばかりなのだから……。


 そして僕もある程度、食事はセーブしつつあったのだし……。


 互いの体のことを考えて、あっさり目の食事を食べた。
 

 和やかに話が続く。


 慧子が、


「確か、今日、綾邊のドイツ語原典講読があったわよね?」


 と言い出した。


「ああ。アイツは最悪の教官だからな。まともな授業しないし」

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