素直に
 と言った。


「学生相手だから、結構ハイカロリーだな」


「ええ。でもこれぐらい食べておかないと、この季節は乗り切れないわ」


「そうだな。もう後期の授業も始まってるんだし」


 僕たちは頷き合いながら、各々頼んでいた食べ物の皿や飲み物のカップを手に取る。


 そして食べ始めた。


 慧子が、


「去年の秋光大の院試(いんし)、難しかったみたいね」


 と言い、コーヒーを一口啜る。


「問題はどんな感じ?」


「一応、英語の試験問題見てみたんだけど、教養のときの英語よりこっちの方が難しいわ」


「ちょっと見せて」


 僕がコーヒーを飲みながら、横書きで書かれた過去問に目を通し始める。
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