ギブ・ミー・ヘブン
はっとしたように嵐が言った。



「アドレス交換まだだったから聞いていい?」

「観覧車降りてからでもいいじゃない。」

私が言うと、嵐は笑って言った。


「今はIC送信があるの。」

携帯を重ね合わせただけでプロフィールが送れるらしい。
勝手に私と嵐の携帯を重ねていた。


観覧車を降りると写真が貼り出されていた。


私と嵐の写真―


目で探しているうちに嵐は買っていた。


「ほら、次行くぞ。」


それから何箇所か嵐の行きたいと行った店に付き合わされ、やっと自分の店に着いた。



「あら~みちるちゃん、ずいぶんな有名人連れてご出勤じゃないの!」

ママは驚いている。

「有名って・・・?」

「すすきので働いていて知らない人はいないわよね、嵐くん。」


嵐はポリポリ頭を掻いていた。

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