ギブ・ミー・ヘブン
「なんでさっきあんな顔してたの。」

店が終わり、嵐の店へ向かう途中、嵐へ問いかける。


雪祭りも近くなって、観光客が多いススキノは深夜でも賑やかだ。


「あの人、伊織ちゃんに惚れてるね。」

嵐がいつになく真面目な顔をして私に言った。


「そんなわけ・・・・・」


嵐が私の手を握った。


強く。

痛みを感じるほどに。


「ごめん。俺今日休みださ。付き合って。」


私の手を引いて走り出した。


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