ギブ・ミー・ヘブン
「蓮は弟みたいなもんでさ。地元がいっしょなんだよね。」

嵐が言った。

「蓮くん、まるで嵐くんの信者みたいだよね。」

嵐は笑う。

いつもの笑顔。

「あのさ、カクテルって名前でいろんなイメージできるじゃん。さっき伊織ちゃんが俺のイメージをBLUE DEVILって言ったみたいに。お互いにイメージ対決しようよ。」

ヒゲのバーテンダーは面白いと笑って、私にカクテルのレシピがたくさん載っている本を手渡した。


「う~ん。MILLIONAIRE!!」

バーテンダーは吹き出している。

「なにそれ?」

嵐が不服そうに私を見る。

「ホストって金の亡者のイメージなんだもん。ミリオネア、いいじゃん。」

嵐は苦笑しながら言った。

「俺はね、FAIRY。俺は女の子に優しい。うん。」


「妖精?」


「そうそう、突然俺に突撃して転ぶ妖精。間抜けだな~。」


「ひどい!」


バーテンダーは笑いなが次々にカクテルを作ってくれた。

GENTLEMAN'S COCKTAIL(その名も紳士)
HOKKAIDO(こんなのあったんだ)
PUSSY FOOT(禁酒主義者って意味のノンアルコールカクテル)
BARTENDER(そのまんまの名前だ・・・。)

などなど・・・。

私は途中でソフトドリンクに切り替えたが、嵐は飲み続ける。

その時

「げっ、カクテル甘く見すぎた。。。酔ってる俺。。。」



嵐の赤い顔なんて見たのは初めてだ。

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