ギブ・ミー・ヘブン
「雄一。。。」

思わず涙がこみ上げてくる。

「昨日、割と早い時間から電話繋がらなかったから、俺やっぱりふられるのかなって心配した〜。それとも早く眠っただけ?」

言葉の出ない私に、

「どうした?俺、今日は当直だからさ、明日非番だろ。明日ゆっくり伊織と電話するよ。それでいい?今ちょっと忙しくてさ。」

胸が押しつぶされてしまいそうだった。
精一杯声を振り絞って

「昨日はごめんね。明日電話するね。」

そう言って電話を切るしか出来なかった。



電話を切って瞼を閉じると
すぐに雄一の顔が浮かんだ。

出会った瞬間から

運命の相手はこの人だとずっと思っていた。

おめでたいかもしれないけれど、
一目見た瞬間から

この人だ

としか思えなかった。




その雄一と私は別れなければならない。





死んだ父親のしてきたことなど



今を生きている私には関係ないことなのに。




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