人魚姫




私は覚悟を決めて



王子様の唇に自分の唇を
重ねた。




王子様は息を吹き返した。





でも目は虚ろなままだった。





段々視界がはっきりしてきた
らしく、


私を見て目を丸くしていた。



『君が助けてくれたの?』



「…はい。」




『君の名前は?』




「…ユーリです。」




『お礼がしたい。』



「いいんです。」



私は微笑んだ。



王子様は不服そうな顔を
していた。



でも私は

さようならと言って


海へ帰って来たのだ。







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