ピュリファイ:お金がない!
あたしは、消したかったけど、ユリさんに止められた。

おとうさんは、必死に、マスコミの人たちに、説明していた。

顔は、こわばっていた。

「第二次世界大戦後にも、預金封鎖はありました。


 みなさん、落ち着いてください。

 
 課税後に、預金は、お返しします。


 お金が国に回収されているので、インフレも止まります。


 封鎖中に、インフレが進むことはありません。
 

 封鎖があっても、あなたの財産は守られます。」

 
一人の記者が、質問した。

「それ、話が変でしょう?

 ごまかしでしょう?

 はっきり言えば、うそでしょう?

 戦後、預金封鎖や財産税がかけられたときも、インフレはひどくなるばかりでした。

 理由は、政府が回収したお金を、償却するのではなく、一般財源化して、ふたたび市場に出してしまったからです。

 早い話、お金の流通量は全く減らず、それどころか、国はひたすら借金を膨らまし続けたので・・・」

記者が質問している最中に、おとうさんに、突進していく、汚い格好の男の人がいた。


 突然、映像が、途切れた。

 
 何があったんだろう?
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