ピュリファイ:お金がない!
男の子は、私より先に歩いて、階段を上っていった。

「こっち」

男の子は、ボソッと言った。

あたしは、黙って後をついて、階段を上った。

「・・・おじゃましまーす・・・。」

私は、おずおずと、部屋に入った。

男の子は、一人で部屋を出た。

たぶん、おやつを用意しに行った。

男の子が、階段を、とんとんとん・・・と降りる音が、あたしの背中のほうで、聞こえた。
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