ピュリファイ:お金がない!
「どんなに頭の悪い人でも、分かりきってるよ。



 おカネがダメになったら困る、て、当たり前だろ?



 ばかばかしすぎるよ!あたりまえすぎて!



 で、ここまで莫迦げたこと、この首相が言うか?



 この人、ほんと、オオバカ者なんだろうよ。



 でも、いくらなんでも、ここまで莫迦なこと、選挙のときに言ってたら、この人、落選してて、国会議員になってないよ。



 どんなに莫迦でも、だから、こんなこと、言っちゃいけないってこと、ほんとだったら、この人だって、分かってるはずだよ。



 言っちゃいけないし、やっちゃいけないよ。



 お金を、ダメにするなんて・・・。




 だって普通、お金って、働いて稼ぐよね?



 でも、働いたって、無駄になる、て、言ってるのと同じだよ?



 莫迦すぎるよ。」



エージは、つぶやくように、独り言のように、言った。



「なんだか、働くなって、言ってるみたいだよ・・・。



 俺みたいにビンボーでいろ、必死に働いて貯金するな、て、言ってるみたいだよ・・・。


 おれ、ほんとは、金をためて、高校に入りなおして、しっかり働こうと思ってたんだけど・・・


 まじめに働いても、無駄なんだな、この国では・・・


 おやじもまじめすぎて自殺したしさ・・・


 おれ、今回のことで、よくわかったよ・・・

 
 正直者が莫迦を見るんだな。


 家がなくなって、冬になって、道端でのたれ死んでも、いいような気がしてきた」



 「そんな悲しいこと、言わないでよ。」


あたしは、思わず、言い返した。
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