どうして、そんなに
「俺、衣里に本気だよ」
「ごめんね」
「どうしてもダメ?」
「うん。ごめん」
「俺を利用しても、何してもいいよ?都合よく使ってくれていいから」
首を横に振る。
ダメだよ。
哲は、優しくていい子なんだから、そんなこと言っちゃダメ。
「…衣里」
「あたしには哲は勿体無いよ」
それだけ言って、あたしは家へと走った。
哲ありがとう。
こんなあたしを好きになってくれてありがとう。
そしてごめんね。
あたしは哲を幸せには出来ないんだ。