どうして、そんなに
「美里!?」
屋上の扉を勢いよく開け、飛び込む。
美里は…美里。
パッと顔を上げると、フェンスの近くに美里がいた。
「美里!!」
「来ないで!」
美里は叫ぶと、フェンスを越えた。
何してるの?
「美里!!」
「来ないで!」
「美里、やめて。戻ってきて。あたし、先崎と別れるからだから…」
「そんな同情いらない!あたしはただ、早く言ってほしかった。付き合ったんだよって。ちゃんと衣里から報告してほしかった」
泣きながら言う美里に、あたしは何も言えなかった。
ごめんなさい。
ごめんなさい、ごめんなさい。
「美里……」
「あたし知ってた」