どうして、そんなに




「えッ?」



「あたし、衣里が先崎君好きなの知ってたの。だからわざと言ったの。あたしも先崎君が好きだって」



わざと…?



「ずるいでしょ。あたしだってずるいの。でも…」



美里は一回そこで言葉を止めた。



あたしはもう黙って美里の言葉を聞くしかなかった。



「衣里の方がずるい。ずるいよ…」



「美里、ごめッ」



「謝らないで!!こんなこと言ったって仕方ないのは分かってる。でもね、衣里を罵倒しないと、あたしおかしくなりそうで。ごめんね、こんな友達で」



「美里、あたしのほうがごめんなさい。美里に何度も言おうとしたんだけど、言えなかった。ごめんなさい、ごめんなさい」



今まで我慢していた涙が溢れた。



美里、ごめんなさい。



許されないかもしれないけど、あたしはまだ美里と友達でいたいよ。



「衣里は悪くない。あたしが悪かったの。だから、償うね」



「えッ?」



「さようなら、衣里」
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