どうして、そんなに





「これがあたしの過去」



哲をまっすぐ見つめて言う。



重いよね。



いやだよね、こんな奴。



「今まで仲良くしてくれてありがとう。じゃあ」



ベッドから降りて、保健室を出ようとすると、哲に抱きしめられた。



「こんな細い体で、こんな大きなもの……」



「哲?」



「俺が支えてやる。支えるから」



「何、言ってるの?」



「俺は衣里が好きだ。だから衣里が抱えてるもの、俺が半分背負ってやる」



哲は体を離すと、あたしを見つめていった。



「衣里は、衣里だよ。どんなことがあっても」



その言葉にあたしは涙が出た。



ずっとずっと言われたかった言葉。



あたしは、あたし。
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