どうして、そんなに
美里の所に行こうと一歩踏み出す。
今行くよ、美里…
「衣里!!」
急に名前を呼ばれたかと思うと、あたしはフェンスの後ろにいた。
あれ?どうして……
「何してんだよッ!!」
「哲?」
ハァハァと荒い息をしている、哲。
もしかして、あたしの事追いかけてきてくれたの?
「お前、死んだってどうにもならないぞ?」
「……分かってる」
分かってるよ。
本当はどうにもならないことぐらい、分かってる。
「分かってないよ。衣里は分かってない」
「分かってるよ」
「分かってない!」
怒鳴った哲に、思わず体がビクッとした。