どうして、そんなに





「俺は、弟になんにもしてやれなかったから、お前を救えてよかった」



「そんなことないと思うよ?哲の気持ちはちゃんと、悠志君に伝わってるよ」



「そーかな?だといーけど」



哲はニカッと笑うと、手を差し出した。



「戻ろう、教室に」



「うん」



あたしは頷いて、哲の手を握った。



もう迷わない。



何があっても、死のうとしない。



同じ過ちはもう繰り返さない。



哲…ありがとう。



止めてくれて、ありがとう。



ありがとう。
< 50 / 95 >

この作品をシェア

pagetop