どうして、そんなに
「俺は、弟になんにもしてやれなかったから、お前を救えてよかった」
「そんなことないと思うよ?哲の気持ちはちゃんと、悠志君に伝わってるよ」
「そーかな?だといーけど」
哲はニカッと笑うと、手を差し出した。
「戻ろう、教室に」
「うん」
あたしは頷いて、哲の手を握った。
もう迷わない。
何があっても、死のうとしない。
同じ過ちはもう繰り返さない。
哲…ありがとう。
止めてくれて、ありがとう。
ありがとう。