どうして、そんなに




「同じクラス初めてだよな」



「そーだね。あたし正直長野君のこと今日初めて知った」



「はは。だろうな。こんだけクラスあったら、知らない奴とかいるよな」



「うん。まぁ」



あたしの学校は、結構人気があって



一学年、8クラスある。



「つか、呼び捨てでいーよ。哲って呼んで」



「あ、うん。あたしも衣里でいーよ」



「分かった」



哲はにっこり笑うと、あたしに歩幅を合わせて歩いてくれた。



優しいんだね。



やっぱこういうところがモテルのかな?



じーっと哲を見てると、困った顔をして“何?”と聞いてきた。



「ううん。なんでもない。それより入学式の準備って何だっけ?」



「なんか会場の、やつ。たしか…ステージの上の準備だったと思う」



「そっか」



めんどくさそう。



ステージの上とか、花飾ったりするんだよね。
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