どうして、そんなに




「あたしはもう、衣里さんには何も言いません」



「弥生ちゃん……」



「その好きな人と、頑張ってください」



ペコッと頭を下げると、弥生ちゃんは帰っていった。



弥生ちゃん……



弥生ちゃんも苦しかったんだね。



ごめんね、あたしばっかり被害者ぶって。



ごめんね………



涙をぬぐってあたしも、店を出た。



これで、弥生ちゃんは



一応あたしを許してくれた。



だから後は……



美里。



美里に許してもらわないと。



あたしは近くの花屋さんで花を買うと



美里のお墓に向かった。
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