どうして、そんなに




靖花の言葉がぐるぐると頭を回る。



嘘、だよね。



嘘に決まってるよ。



あたしはタクシーを止めると、急いで目的地を伝えた。



「出来るだけ早く。早くしてください!!」



早く行きたい。



早く哲の元へ。



30分かけて、ようやく目的の場所に着いた。



「おつりはいりません!!」



運転手さんに乱暴にお金を渡すと、急いで駆け込んだ。



「あのッ!長野、哲は?」



「え?あ、少々お待ちください」



早く、早く、早く。



「3階の302号室です」



「ありがとうございます!!」



階段で3階に向かう。



哲…哲……
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