どうして、そんなに
「でも…―――」
あたしは、許されないことをした。
「衣里ちゃんのせいじゃない。責めちゃダメだよ。誰も、衣里ちゃんが自分を責めることを望んでない。望んでるのは、哲の傍にいてくれること」
「えッ?」
哲の傍に?
あたしが…?
「ダメです。哲の傍になんかいれません」
「どうして?」
どうしてってそんなの……
「あたしが傍にいたら、哲が不幸になる」
今日のことだって、あたしのせいだし。
きっと一緒にいたら、哲はもっともっと不幸になる。
もっと身に危険が及ぶかもしれない。
「バカ!!」
お姉さんにギュッと抱きしめられる。
「哲は不幸になんかならない。衣里ちゃんが居れば、幸せになれる」
「なれないですよ」