どうして、そんなに
帰り道の告白
「なー衣里って家どっち方向?」
学校の門を出ると、すぐに分かれ道がある。
「あたしは右のほう」
「あ、じゃあ一緒だ。良かった」
にっこり笑って、右に曲がる。
そういえば、哲ってよく笑うよな。
「ねぇ、哲っていつも笑ってるの?」
「えッ?」
「なんか今日一日だけでも結構笑ってるなーって思って」
見るたびに笑顔な気がする。
ほら今だって、笑ってるよ?
「そっかな~まぁしかめっ面してるより笑ってるほうがよくね?」
「そうかもね。でも哲は笑いすぎかもよ?そんなに楽しいの?」
あたしがそう問いかけると、哲は大きく頷いた。
そっか。
哲は友達たくさんいそうだもんね。