どうして、そんなに




「それは衣里ちゃんが決めることじゃないよ。哲の気持ちだもん」



「そうですけど…」



だけど、



だけど……



「あーもう、この話は終わりッ!とにかく明日も哲に会いにきてくれる?」



「えッ?」



「明日も哲に会いに来て。これは命令だよ」



命令……ですか。



「分かりました。明日も来ます」



ペコッと頭を下げて、あたしは病室を出た。



哲、明日は目を覚ますよね。



あたしの事、覚えててくれるかな…



それとも忘れちゃってるかな…?



…それは明日分かることだよね。



あたしは大きく息を吸って、タクシーに乗り込んだ。
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