どうして、そんなに
「あ、そういえば」
お姉さんは、自分の手からあたしに、ジュースを渡した。
「これ、買ってきたやつ。それ飲んでて待ってて、衣里ちゃん」
「え?どこ行くんですか?」
「先生に伝えてくる。哲が目を覚ましたこと」
「あ、はい」
“すぐ戻るから”
お姉さんは嬉しそうに笑って、部屋を出て行った。
さっきの笑顔とは、違うな。
やっぱりお姉さんもホッとしたんだよね。
なんて考えていると、哲に話しかけられた。
「あのさ……」
「ん?」
「あの……」
もごもごしてはっきりしない哲。
「どうしたの?」
「あの……悪いんだけど、あなた誰ですか?」
え?