騎士契約
静まりかえる場に
ドサリと何かが
倒れた音がする
「………姫?」
ウォンは慌てて
ステラを抱える
ステラは眠るように
倒れたのだ
「…ステラを休ませよう
…どこかの町へ」
ウォンがそう呟いても
誰も動こうとしない
険悪な空気が漂う
「…まさか………
信じたの…?今の」
ウォンが殺気立ちながら
全員を睨む
「……………」
ただ沈黙が続く
「……わかった…」
ウォンはそう言って
ステラを抱えて城を出た
始まったばかりの旅に
暗黙の雲が立ち込め
たのだった
.